オーダメイドタイプの遠近両用レンズだからこそできるこだわりの見え方

スタッフ今堀です。

最近はどこのレンズメーカーもオーダーメイドタイプのメガネレンズを販売しております。

通常のメガネレンズはお客様の目の度数だけを入力して注文するのですが、オーダーメイドレンズの場合は、専用の計測ツールを使ってフレームの装用状態(レンズと目の距離など)を計測してデータ化します。

レンズ注文時に度数とともに計測したデータを入力することで、一人一人の装用状態に合わせて最適化されたメガネレンズが作られるという、まさに自分だけのオーダーメイドのレンズです。

オーダーメイドタイプの遠近両用レンズの中でも、さらに上位グレードのレンズの場合には、フレームの装用データを反映させるだけでなく、自分の好みに合わせて見え心地(レンズデザイン)を選べるようなものもあります。

メーカーによって多少異なりますが、遠方部分を広くしたり、逆に近方部分を広くしたり、ユレや歪みをなるべく抑えて装用感を重視するなど、自分好みのレンズデザインを選ぶことができます。

東海光学のニューロセレクトという遠近両用レンズの場合、最上位グレードのニューロセレクト9Xは、4種類の見え方から自分の好きなものを選べるようになっております。

その中にタイプWというレンズデザインがあるのですが、こちらは遠方のシャープさと近くの視界のワイドさを重視したレンズデザインになります。

中間部分の見え方が悪くなり、装用感も若干悪くなるので、今まで通常の遠近両用レンズを使って来られた方には不向きなレンズデザインだと思います。

このタイプWはどんな人が使うのかイメージできなかったため、メーカーの営業さんに尋ねたことがあります。

「以前バイフォーカル(二重焦点)レンズを使っていた方向けのレンズデザインです」という返事で、「ああ、それならあんまり使うことはないんだろうな」と思っておりました。

実際にその通りで、販売する機会もなく、その存在自体も忘れかけておりました。

少し話が変わりますが、先日、東京で補聴器の講習があったので参加して来ました。

一日目が実習で、二日目は講義(座学)だったのですが、講義はかなり広い部屋で受講しました。

講義中は机上のテキストと前方のスクリーン(たまに壇上の講師の先生)を交互に見るという感じで、後ろの方の席だったのでスクリーンまではかなり距離がありました。

幸い今使っている遠近両用レンズで問題なく受講できたのですが、10年後くらいにもっと強い老眼度数が必要になった時には結構辛いかもしれないなと思いました。

職業病かもしれませんが(笑)、「こういう時にはどんなメガネレンズが使いやすいんだろう?」とふと考えてしまいました。

遠くはしっかり見えないとスクリーンの文字が見にくい(遠くを見た時のクリア感が大事)。

でも、近方もしっかり見えていないと手元の資料などが見にくく、メモが取りづらい(近方の視界の広さが大事)。

それにできるだけ自然な姿勢で見えないと長時間受講するのがしんどい(遠用部と近用部のバランス)。

遠方◎ 中間△ 近方◎、こんな見え方のレンズが使いやすそうです。

跳ね上げ式のメガネを使うことも考えてみましたが、モニターを見ながらメモを取るといった作業にはあまり向いてなさそうです。

かなり頻繁にレンズを上げ下げする必要があり、ちょっと大変かなと思いました。

以前、学会用にバイフォーカル(二重焦点)でメガネを作らせていただいたことがあったのですが、確かにバイフォーカルなら遠くも近くもすっきり見えるので使いやすそうです。

個人的にはバイフォーカルでも良いかなとも思ったのですが、最近は製造しているメーカーが少なくなっていたり、見た目の問題があります。

それで思い出したのが、冒頭でご紹介したニューロセレクトのタイプWでした。

普段使いの遠近両用レンズであれば、中間部分が見にくくて装用感があまり良くないものは使い勝手が悪いです。

ただ、今回のようにセミナーなどを受講する場面を考えると、意外と使いやすいレンズなのかもしれません。

あくまでも僕の想像なので、実際の使い勝手は分からないのですが、また機会があればスタッフ長尾にモニター体験してみてもらおうと思います。

どんな場面でどんなものを見るか、それによって使いやすいレンズは人それぞれ異なります。

お客様の個々のニーズに合わせることができるのもオーダーメイドタイプのメガネレンズの魅力だと思います。

レンズの種類によっても選べるレンズデザインなどが異なりますので、ご興味のある方は気軽にスタッフまでお尋ね下さい。