スタッフ今堀です。
前回は、眼鏡用フレームに度入りのカラーレンズを入れて、
度付サングラスを作る場合の注意点についてお話しました。
今回は、サングラス(として販売されている)のレンズを度入りにして、
度付サングラスにする時の注意点についてお話したいと思います。
前回も少し説明しましたが、
市販のサングラスを大きく分けると、
標準的なカーブ(もしくはそれに近い)のレンズが使用されているものと、
深いカーブのレンズが使用されているものがあります。
こちらは当店にあるサングラスの中では、
カーブがそれほど深くないサングラスです。
フレームのカーブも眼鏡用フレームに比較的近いので、
メガネを作るのと同じレンズが使用できます。
ただ、やはりサングラスなので、
眼鏡フレームに比べるとレンズサイズが大きいものが多く、
たとえメガネと同じ度数で作っても、
レンズがだいぶ厚くなったり、重たくなってしまう場合もあります。
また、レンズが極端に大きなサングラスになると、
レンズの径が足りなくてレンズが入れらないということもあります。
その点はちょっと注意が必要です。
そして、最近多い、深いカーブのレンズが入ったサングラス。
見た目もとってもカッコいいので、
これに度入りのレンズを入れたいという方も多いですし、
最近はこのタイプのサングラスを度付にすることも増えて来ました。
写真がイマイチでちょっと分かりにくいかもしれませんが、
先ほどに比べるとフレームのカーブが強くなっています。
通常のレンズではフレームとレンズのカーブが合わず、
レンズがうまく入らなかったり、外れやすくなってしまいます。
僕がこの仕事を就いたばかりの頃は、
こういうサングラスを度付にしたいというお客様が来られても、
ほとんどお断りしていました。
そういうサングラスに対応したレンズがほとんどなかったり、
あっても加工するのが難しかったからです。
ただ、最近はそういうサングラスにも対応した、
ハイカーブレンズと呼ばれるレンズが各メーカーから発売されるようになり、
性能も昔に比べてかなり良くなっています。
とはいえ、やはり普通のレンズに比べると高価です。
また、カーブの深いサングラスは、レンズのカーブだけでなく、
フレームの形状が顔に沿うように湾曲しています。
日差しや紫外線などからの保護という観点からはすごく良いのですが、
こうしたフレームに度の入ったレンズを入れて見ると、
普段使っているメガネと同じ度数にも関わらず、かなり違和感を感じます。
フレームの湾曲により、レンズの光軸と視線がずれてしまうことによって、
こういったことが起こってしまうのですが、
最近では、そのずれを補正してくれるようなレンズも発売されています。
そういうレンズを使えば違和感はだいぶ軽減されます。
ただ、見え方やレンズの歪みに非常に敏感な方ですと、
どうしても慣れられないということもあります。
度付サングラスを希望されるお客様向けに、
湾曲したフレームを掛けた時の見え方を疑似体験できる、
写真のような道具(テストフレーム)もありますので、
見え方を体験されたい方は気軽にご相談下さい。
また、レンズのカーブを深くするので、レンズの厚みが出ます。
(一般に、カーブを浅くするとレンズは薄くなります。)
レンズのサイズが大きいことに加え、カーブによる厚みも出るので、
メガネの場合にはほとんど気にしなくてもよい軽い近視の人であっても、
ハイカーブで度付にすると、意外とレンズの厚みが出る場合もあります。
(度数など様々な条件によっても変わります。)
最後に、価格の問題です。
通常のレンズに比べるとお値段もだいぶ高くなってしまいます。
これが一番問題という方が多いかもしれません。
結構ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、
僕自身もハイカーブサングラスを度付にして使っていますし、
お客様にも実際に購入していただいています。
決しておすすめしないということではありません。
少しお金がかかっても作りたいという方には、ぜひ、おすすめします。
お店に並んでいるカッコいいサングラスを見ると、
「このサングラスを度付にして掛けてみたい」
そういう方も多いかと思います。
ただ、普通のメガネを作る時と同じようにはいかない場合もある、
そういうことをちょっと知っておいていただけると幸いです。