スタッフ今堀です。
先日、新しい認定眼鏡士の登録証が届きました。
実は認定眼鏡士の資格には有効期限がありまして、
その間に規定数の講習を受講しないと資格を喪失してしまいます。
とりあえず必要な単位は取れていたようなので安心しました。
そんなわけで、本日は眼鏡士らしく(?)、
「視力」についてお話をさせてもらおうかなと思います。
先日、メガネをお作りいただいたお客様。
度数測定をさせてもらった時に、
「裸眼の視力がどれくらいか知りたいので調べてもらえます?」と、
裸眼での視力チェックを希望されました。
そこで、裸眼での視力をチェックしてみたところ・・・
左右ともに視力は0.1以下でした。
「0.1(の視標)も見えてないんですか?」と、
ご本人も最初は少しショックを受けておられたのですが、
「お客様の近視の度数から考えると、決してショックを受けることではない」
ということを説明させていただきました。
一般的には、視力表の一番大きな視標が0.1です。
近視や乱視がなく、遠方がよく見えるという方からすると、
「あんな大きな視標、見えて当たり前でしょ?」
そんな風に思われるかもしれませんが、
0.1の視標が(裸眼では)見えないという方もけっこうおられます。
強度の近視の方になると0.1以下の視力が当たり前ですが、
そこそこの近視でも、視力は0.1以下になります。
かくいう僕も、眼鏡店ではよく目にする近視度数ですが、
裸眼だと、0.1がわかるかどうかギリギリの視力です。
余談になりますが、
一般的な5mの検査距離で0.1の視標がわからない場合、
視標を近づけていって(もしくは近づいてもらって)、
視標が判別できた距離により視力を決めます。
その結果、視力0.06とか0.04というふうになります。
当店で度数測定の際に使用している視力表には、
0.08や0.06といった視力表も入っているので、
上記の方法ではなく、僕の場合はこれを使用しています。
ところで、裸眼視力は近視や乱視の強さなどに影響されます。
近視や乱視が強い方ほど裸眼視力も悪くなるということです。
ただ、だからといって目そのものが悪いということではありません。
たとえば、こんなケースを考えてみましょう。
A.裸眼視力は0.1以下。メガネで補正した時の視力は1.0。
B.裸眼視力は0.5。メガネで補正しても視力は0.5。
裸眼視力だけを見るとAの方が問題がありそうですが、
「目に何か問題があるのかな?」と考えるのは、
実はBのようなケースです。
ちなみに最初にご紹介したお客さまの場合は、
きちんと近視を補正さえすれば、
左右ともに1.2まで見てもらえたので全く問題ありませんでした。
たまにあるのですが、
お子さんのメガネを作りに一緒に来られた親御さんに、
裸眼では0.1が見えていないということをお話した際、
「0.1が見えないなんて、そんなにうちの子は目が悪いのか!」
そんな風にショックを受けられたり、
お子さんを責める親御さん(たまにですが)がおられます。
でも、メガネが必要な方にとって問題になるのは、
近視等を補正した時の視力です。
一般的な視力表は0.1までしかありませんが、
ある程度の近視があれば視力が0.1以下になることもあります。
ぜひ、知っておいてもらえたらなと思います。