スタッフ今堀です。
今週末も、ご自宅でメガネについてちょっと詳しくなれる(?)、そんな皆さまのお役に立てる情報をご提供できたらと考えております。
今月は眼鏡店選びのポイントについてお話したいと思います。
現在は全国に緊急事態宣言が出されており、気軽に眼鏡店にメガネを作りに行ける状態ではないと思いますが、また気兼ねなく買い物に行けるようになれば、ぜひ、その時に参考にしていただけたらと思っております。
第一回目は眼鏡チェーン店、第二回目は格安の量販店を取り上げましたが、最後に個人店でのメガネの購入についてお話したいと思います。
③個人店
個人店と言っても実はいろんな眼鏡店があります。
お店の規模もそうですし、販売形態も様々です。
比較的安価の(レンズとフレームの)セット商品を中心に販売している個人店もありますし、セット商品は一切販売せず、価格も高めというお店もあります。
地元に複数店舗があって、ショッピングセンターなどにも出店されているお店もありますし、当店のように単独店舗で駅前商店街の中で昔から営業されておられるお店もあります。
多業種に比べると、大型のチェーン店や格安量販店がたくさんあるにも関わらず、結構個人経営のお店も多い業種なのかなと思います。
どの業種でもそうですが、個人経営で生き残っていこうと思うと非常に厳しい時代なので、差別化を図るために色々工夫されておられる個人店も多いです。
ところで、皆さんは個人店と聞くとどんなイメージがありますか?
品ぞろえが少くて商品が色々見られない?
建物が古くて店内も暗いイメージ?
店主のおじさんがいつも新聞を広げて座っている?(笑)
そんなイメージを持たれておられる方もいるかもしれませんね。
確かにそういうお店もあるかと思いますが、全国展開のチェーン店や格安量販店に負けないような魅力的なお店もたくさんあります。
最近はインターネットやSNSでお店を調べる方も多いので、わざわざそういうお店を選んでメガネを作りに行かれる方も結構多いです。
個人経営の眼鏡店にはいろんな業態やこだわりのあるお店がありますが、最近増えてきているのは、ファッションアイテムとしてのメガネの重要性を考え、国内外のデザイナーズブランドの中から店主やスタッフが自店で取り扱う眼鏡ブランドをセレクトし、大型店との差別化を図っている、そういう眼鏡店です。
実は、当店も数年前から取り扱う商品を大幅に変え、現在は国産のデザイナーズブランドをメインで取り扱っております。
(一部海外のブランドも取り扱っております。)
そういったお店の中には、当店のようにメガネの〇〇というような一目で眼鏡店と分かる店名でなく、英語やカタカナで、どちらかというと美容院のような名前が付いているお店も多いです。
お店の雰囲気もいかにも眼鏡店という感じではなく、カフェや雑貨屋さんのようなお洒落なお店も多いです。
メガネが好きな人や、ファッション雑誌などで紹介されている眼鏡ブランドが欲しいという方の場合は、そういうお店がおすすめです。
チェーン店などにはない個性的なデザインのメガネフレームを見ることができます。
ただし、そういったフレームの中には、顔に合わせて調整することが難しいフレームも結構あったりするので(特に海外ブランドに多いです)、度数の強い方や、メガネの掛け心地を気にする方の場合はちょっと注意が必要です。
お店の雰囲気やフレームのデザインだけでメガネを購入されて、購入後に「見え方がおかしい」「すぐにずれて下がってくる」といった相談に来られるお客様も多いです。
当店の場合は、京都にとても近いので、京都のセレクトショップなどでよく分からずに購入されたお客様が相談に来られることが時々あります。
(男性よりは圧倒的に女性が多い気がします)
お店の雰囲気だけで選ばずに(雰囲気も大事ではありますが)、購入時にちゃんとアドバイスをしてくれたり、フィッティング(フレームの調整)もしっかりやってくれるお店を選んだ方が良いなかと思います。
国家資格ではありませんが、認定眼鏡士という資格がありますので、認定眼鏡士がいるお店かどうかというのも参考になります。(眼鏡技術者協会のウェブサイトから認定眼鏡士のいるお店を調べることもできます)
また最近では、お店のホームページや店主のブログを見れば、度数測定やメガネのフィッティングについても書かれていたりするので、そういうものをご覧になって参考にされたら良いかなと思います。
メガネを作るうえでフレームのデザイン性も大事ですが、視力補正という観点から検眼(度数測定)に力を入れている個人店も増えてきております。
チェーン店や格安量販店に比べると、個人店では一人のお客様に対し時間をかけることができるので、そういったサービスがやりやすいという事情もあるかと思います。
たんにメガネの度数を測定するだけでなく、両眼視機能や立体視といった様々な視機能のチェックを行うことで大型店との差別化を図っているお店も増えてきております。
実際にこのような測定を行うためには、専門的な知識が必要になりますし、専用の測定器具も必要です。
余談ですが、大型免許や二種免許と取得する場合、深視力検査というものが行われます。
実は結構難しい検査なのですが、この深視力検査がパスができなくて困っておられる方も結構おられます。
目の病気が原因ではないので、眼科医に相談しても解決できないケースが多く、眼鏡技術者が対応することが多いのですが、お店に検査用の深視力計を持っていて、そういったお悩みの方向けの対応を行っているのも、個人の眼鏡店が多いのではないかと思います。
「自分の目に合わせてちゃんとメガネを作りたい」
そんな風に思われる方は、そういう度数測定や両眼視機能検査に力を入れているお店がおすすめです。
チェーン店の中にも、最近はこういう検査に力を入れておられるお店もあり、一時期テレビなどで取り上げられていたのでご存知の方もおられるかもしれません。
逆に、「そんなめんどくさいことはしたくない。できるだけサクッとメガネを作りたい」と考えられる方や、「フレームさえ自分が気に入るものならレンズなんて何でも良い」という方にとっては、そういう細かい検査は鬱陶しく感じられるかもしれません。
先週の格安量販店の時にも少し触れましたが、個人店の一番の魅力は、いつも同じ人(店主やスタッフ)に相談できることなのかなと思います。
店主との相性が悪ければだめですが(笑)、メガネを作る場合、お店が自分の目のことやフレームの好み、過去のメガネの情報などを詳しく知ってくれているということは、かなりメリットが大きいのではないかなと思います。
ホームページやブログなどがない時代には、店に行かずに店主の人柄や店の雰囲気を知ることは難しかったと思いますが、最近は手軽に情報を集めたりすることもできます。
たとえばですが、ホームページには、「お客様に最高の見え方を」なんて書かれてあるのに、字が小さくて読みにくいホームページを作っていたり、「親切、丁寧がモットーです」なんて書かれてあるのに、専門用語やカタカナ語(最近はやたら英語が多いかも)ばかりで全然親切でない、そんなお店であれば、別のお店をさがした方が無難かもしれませんよね。
気になるお店があれば実際に行ってみて、店主やスタッフさんと話してみるのも良いと思います。
以上、3回に渡って眼鏡店のタイプ別の違いを簡単に説明させていただきました。
チェーン店でも色々ありますし、個人のお店でも色々なお店があるので、本当は分けることには無理があるのかなとも思うのですが、消費者のみなさんがイメージしやすいように3つのタイプで分けて説明をさせてもらいました。
「メガネ屋さんなんてどれも同じでしょ?」と思っておられる方も多いと思いますし、なかなかお店の違いって分かりにくいと思います。
でも実際には、価格はもちろん、取り扱っている商品、スタッフの知識や技術、メガネに対する考え方など、お店によって結構違っていたりします。
僕も個人店を経営しておりますので、どちらかという個人店に行ってもらいたいという思いがありますが(笑)、お店を選ぶ際に大事なのは、「自分がどういうことを眼鏡店に対して一番求めているか」ではないかなと思います。
「価格」なのか? 「お店の知名度」なのか?
「引っ越しした先でもアフターサービスが受けられること」なのか?
「自分が欲しいブランドや商品を取り扱っているかどうか」なのか?
「できるだけたくさんのフレームを試着できること」なのか?
「メガネを作る時に色々アドバイスしてもらえるかどうか」なのか?
人によってそれは違うと思います。
抽象的なアドバイスになってしまうかもしれませんが、どのタイプのお店が良いとか悪いとかではなく、「自分が一番求めていることは何だろう?」と考えてみて、それが実現できそうなお店を選ばれると良いのではないかなと思います。
長々と書いてまいりましたが、老眼を機に初めてメガネを作ろうと思っておられる方や、今使っているメガネの調子が悪くて次は違うお店に行こうと考えておられる方など、眼鏡店選びでお悩みの方にとって少しでもお役に立てたら嬉しく思います。