スタッフ長尾です。
最近、車の運転用やスポーツ用に度付きのサングラスをお作りすることが多くなりました。
夏場の強い日差しによる眩しさを和らげるために、濃いめのカラーをご提案させていただいております。
度付きのサングラスを作る時、多くの方が悩まれるのが、レンズのカラーです。
サングラスの定番カラーといえば、グレーかブラウンですが、「グレーとブラウン、どっちのカラーにしたら良いのだろう?」と悩まれる方も多いです。
そこで、今回はこの2色のカラーの特徴と見え方の違いについて、簡単に(初めて度付きサングラスを作られるお客様にご説明している感じで)お話したいと思います。
・レンズのカラーによってカットする光の種類(波長)が異なる
光にはいろんな種類(波長)があるのですが、カラーレンズがカットするのは、可視光線(目に見える波長領域の光)です。
市販のサングラスやカラーレンズは紫外線に加え、可視光線をカット(透過率を下げる)してくれます。
※紫外線は目に見えない光で、最近のメガネレンズはレンズ素材自体にUVカットが入っているため、透明のレンズでも紫外線はほとんどカットできます。
濃いカラーになるほどレンズを透過する光量が減るので、眩しさも抑えることができます(そのかわりに暗くなります)。
また、レンズのカラーによってカットする波長光が異なります。
紫外線に近い短波長光をしっかりカットするカラーや、逆に長波長光をカットして短波長光は透過させるカラーなど、カラーによって異なり、レンズを通して見た時の見え方が変化します。
・グレー系のカラーの特徴
グレー系のカラーには、色調の変化があまりなく、光量のみが減光するといった特徴があります。
見ているものに色が付くことなく自然に見えて、眩しさを抑える効果があります。
ランニングやアウトドアで使われることが多いです。
・ブラウン系のカラーの特徴
ブラウン系のカラーは、長波長光は透過させ、短波長光をしっかりカットします。
無色のレンズで見ている時に比べると、色味が変化する(赤っぽくなる)のですが、遠景のコントラストを高める効果があります。
一般にゴルフでよく使われるカラーです。
・グレーとブラウン、それぞれの見え方のイメージ
それぞれのカラーのレンズを通して見た時のイメージです。
※カラーレンズの種類や濃さによっても見え方が変化しますので、必ずこの通りに見えるというわけではなく、このように見えるというイメージです。
カラーレンズなしの状態です。
ブラウン系のカラー
ブラウンのカラーレンズを通して見ると、全体的に色味が赤っぽく見えます。
グレー系のカラー
若干青っぽくなりますが、ブラウンほど色調の変化は感じにくく、カラーなしの状態に比べてそれほど違和感は感じられないかなと思います。
・それぞれのカラーを実際に使ってみた感想
スタッフ長尾がそれぞれのカラーを使ってみた感想です。
※あくまでも個人の感想です。見え方は個人差がありますので、その点をご了承いただいた上でお読み下さい。
ブラウンは赤みがあるので、真昼でも景色が夕暮れ時の様な見え方がします。
「日が暮れるから早く帰らなきゃ、と少々気が焦ります(笑)」
でも、コントラストが上がるので、景色はくっきり見える気がします(特に緑色の木々や葉っぱ、山も見やすいです)。
ちなみに、昔、スタッフ今堀はサイクリングの時にはブラウン系のカラーを好んで使っておりました。
色味は変わるけれども、コントラストが上がってくっきり見える感じが好みらしいです。
グレーは色調の変化が少なく、景色も自然な感じに見えます。
普段使っているメガネ(透明レンズ)で見ている時に近い感じで、眩しさだけが抑えられるという感じです。
ただ、濃いめのカラーだと若干薄暗く感じるので、夏場は快晴なのに「あれっ、曇ってきた」と勘違いする時もあります(笑)
ちなみに、同じサイクリング用でも私はグレー系のカラーを使っておりました。
私の場合は色味が変わるのがあまり好きではなく、なるべく普段見ている感じに近い方が好みだったからです。
同じサイクリング用ですが、スタッフそれぞれ好みが分かれました。
この場面(用途)にはこのカラーと決めつけずに、自分が使いやすいカラーを使った方が良い気がします。
・迷ったらフレームのカラーに合わせて選ぶという方法も
「どうしても色が決められない」という場合は、フレームのカラーに合わせるという方法もあります。
「そんなので良いの?」と思われるかもしれませんが、フレームのカラーに合わせてレンズカラーを決められるお客様も多いです。
涼しげなブルーやクリアグレーのフレームには、どちらかというとブラウンよりグレーがよく合います。
デミ柄やカーキといったカラーのフレームには、ブラウンの方がしっくり来ます。
自分が「このカラーが好き!」と思って選んだフレームであれば、フレームのカラーに合わせてレンズを選んでも良いと思います。
少しは参考になりましたでしょうか?
最初にお話しした通り、レンズのカラーによって見え方が変わったりするので、実際にテストレンズをかざして体感していただくのが一番です。
それから、天気の悪い日や日が暮れた時間帯だと濃さの違いやカラーの効果が分かりにくいので、サングラスを作る時はよく晴れた日にお越しください(これ大事です!)。