遠近両用レンズのグレードの違いはランクを落とした時の方がよくわかります

スタッフ長尾です。

先日のブログで、HOYAのKUMORI291(クモリニクイ)を使ってみた感想を書いてみました。

その際に使用したレンズは遠近両用レンズで、レンズのグレードはスタンダードタイプにしました。

というのも、曇り止め効果には寿命があり(耐用年数はおよそ2年)、通常のレンズに比べて使える期間が短いからです。

曇りにくさを試してみたいだけだったので、今回はお手頃価格のレンズにしてみました。

さらにもう一つ理由があり、昨年、同じHOYAのハイエンドグレードの遠近両用レンズである(きわみ)をモニター体験するためにメガネを作っていたので、せっかくならスタンダードとハイエンドの違いを体験してみようと思いました。

フレームは違いますが、全く同じ度数で、目の位置などの条件も同じにしてメガネを作りました。

遠近両用レンズを使ったことがある方はご存知かと思いますが、遠近両用レンズは一枚のレンズの中に様々な度数がギュッと凝縮して入っているため、どうしても周辺部に歪み(収差)が発生します。

老眼が進行し、遠くを見るための度数と近くを見るための度数差が大きくなるほど、歪みが大きくなります。

歪みをできるだけ感じにくくしたり、ぼやけずに見える範囲の違いがレンズグレードの差となってあらわれます。

HOYAのレンズ取扱店に配信されているiPad用のアプリで、遠近両用レンズのグレードごとの見え方の違いが確認できるツールがあります。

※同じ度数の時のレンズグレードごとの見え方をシミュレーションした画像であり、実際にこのように見えるというわけではありません。

遠近両用レンズを使ったことがない方でもイメージしやすいように、今回はこちらの画像で説明させていただきますが、度数や視力によっても見え方は変わるので、その点はご了承ください。

スタンダードのレンズとハイエンド(BOOMindivisual)だと、遠くを見た時のクリアーに見える範囲にかなり差が出ます。

真っ直ぐ正面を見ている時はそれほど気にならなくても、左右に顔を動かした時にかなり違いがあります。

今回、自分自身で見え方を比較してみたところ、当然、ハイエンドのの方が歪みを感じずに見える範囲が広く、見え方が良かったです。(価格が全然違うので当たり前なのですが)

ただ、実際に両方を比べてみて思ったのは、レンズグレードによる見え方の違いは、レンズのグレードを下げた時の方がよく分かるということでした

ハイエンドを掛けた時の満足度よりも、スタンダードタイプを掛けた時に感じた見えにくさの方が、かなりはっきりと実感できました。

個人差はあるのかもしれませんが、良い見え方に慣れていると、見え方の質が下がった時に(たとえそれがちょっとでも)、敏感に感じるものなんだと改めて感じました。

「今回は安いレンズで良いかな」と言って下位グレードに落とされるお客様もおられるのですが、上位グレードのレンズをずっと使われていた方が下位グレードに落とすと、グレードの違いを感じやすい(悪い方に)かもしれないなと思いました。

今後お客様に遠近両用レンズをご販売するうえで、ちょっと気を付けないといけないなと思いました。