メガネのフレームをネット通販で購入する人が見落としがちなこと

スタッフ今堀です。

業界内資格だった認定眼鏡士から国家資格の眼鏡作製技能士に移行され、認定眼鏡士の資格をもっている者は特例講習を受けなければならなかったのですが、昨年は申し込みを忘れておりました・・・

今年はちゃんと講習を受講し、先日、合格証書が送られて来ました。

呼び名が変わるだけでやる内容は変わらないし、個人的にはどちらでも別に良いのになと思っているのですが(笑)、せっかく合格証書をいただけたので、今日は眼鏡作製士っぽい内容のブログを書いてみようかなと思います。

最近、インターネット通販でメガネフレームを購入された方からのお問い合わせが増えております。

コロナ禍で対面での買い物が困難になり、あらゆる業界でオンライン販売へとシフトする流れとなりましたが、メガネフレームに関してもネット通販で購入される方がかなり増えたようです。

ネット通販で購入したフレームにレンズだけ入れて欲しいというお問い合わせは以前からあったのですが、最近はフィッティング(掛け具合の調整)に関するお問い合わせが多いです。

店頭で試着もせずに購入されているので当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、買った後に掛け心地の問題に直面して困っているという方が多いようです。

(当店ではフィッテイングだけをして欲しいという方の場合は、基本的にはお断りさせていただいております。)

ネット通販の場合はその人の顔に合わせたフィッティングが全くされていない状態で届くので、掛け心地が良くないのはある意味当たり前です。

ただ、当店に持って来られたフレームを見てみると、中にはその方のお顔にサイズが全然合っていないものもあり、「これは調整以前の問題だな・・・」と思うこともたまにあります。

例えが極端かもしれませんが、子ども用に設計されたフレームをいくら調整したとしても、成人男性の顔に合わせるのは無理がありますよね。

眼鏡フレームのフィッティングというと、工具を使ってフレームの調整をするというイメージがありますが、そのメガネを使われる方のお顔(骨格形状)を観察して、適切なサイズやフレームの形状を判断するという作業も含まれております。
(少なくとも僕は眼鏡学校でそのように教わりました。)

伊達メガネやサングラスの場合は見た目を優先して選ばれても良いかもしれませんが、視力補正を目的としてメガネを作るのであれば、レンズの度数によってもおすすめできるフレームも変わってきますし、きちんとお客様のお顔に合わせたフィッティングができるフレームを選ぶ必要があります。

ネットで購入すれば店頭よりも安く手に入るかもしれませんが、専門知識をもったスタッフにアドバイスを求めたり、自分の顔に合わせたフィッティングをしてもらうという機会を失うことになってしまいます。

強度近視の方や遠近両用レンズを使われる方など、メガネに対する意識が高いユーザーの方ほど、値段が高くても自分が信頼できる馴染みの眼鏡店で購入されます。

たとえ購入時に高いお金を支払ったとしても、ちゃんと自分に合ったメガネを作っておく方が後々満足できるということを知っておられるからだと思います。

メガネの価格にはフレームとレンズという形のあるモノだけではなく、目には見えないサービスも含まれているということを覚えておていもらえたら幸いです。